血液相よりみた呼吸機能障害にかんする研究
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概要
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肺生理学的にみた呼吸機能障害は低酸素血症と高炭酸ガス血症の組み合わせに要約できる.しかし安静時には正常範囲にあつても,運動により異常を示す症例も多い.著者は負荷後の血液ガスを追究して呼吸機能障害の診断のみならず,治療,対策,管理の資料に役立てんと考えた.呼吸機能障害にかんする報告は多いが,その多くは換気面よりの追究で,血液ガスより追究した報告は少ない.とくに負荷後の動脈血検査から呼吸機能障害を追究したのが本論文の特徴である.著者は運動負荷にかんするわれわれの正常値より考え,負荷後のPaO2を80mmHgに, PaCO2を45mmHgで区分し, 3群に分類した.これら3群について心肺性動態諸因子,すなわち換気,肺胞換気,酸素摂取率,酸塩基平衡,血中乳酸・ビルビン酸濃度,血行動態の諸因子の運動負荷による変動を追究して,呼吸機能障害の障害パターンを知り,臨床的に有用な指標となることを示した.
- 社団法人 日本内科学会の論文