糖尿病における食餌中蛋白にかんする研究
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概要
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食餌蛋白の質および量の糖尿病に及ぼす影響を追究する目的で臨床的ならびに実験的に検討した.その結果,糖尿病のcontrolと食餌組成の関係については,低蛋白低protein score食はcontrolに悪影響を及ぼすと思われ,また低protein scoreは高protein score食に比べ空腹時血塘,血清総cholesterol,リポ蛋白β/α比,糖同化能の面で不利な成績をえた. alloxan糖尿シロネズミにおいても低protein score食,殊にその低蛋白は糖同化能の面で不利な成績をえた. cholesterol負荷alloxan糖尿シロネズミおよび対照シロネズミにおいても諸代謝の面で低蛋白低protein score食が最も不利であり,漂準蛋白量protein score食で最も優れた成績をえた.病理組織学的にも低蛋白低protein score食では肝に高度な脂肪変性をきたし,膵ラ島にも悪影響を及ぼすことを知つた.またこの傾向はalloxan糖尿シロネズミで顕著であつた。以上,糖尿病の食餌療法においては良質の蛋白を適量与えることがcontrolや,合併症予防の面で望ましいと思われる.
- 社団法人 日本内科学会の論文