本態性家族性高コレステロール血症の血清脂質脂肪酸代謝にかんする研究
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概要
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本態性家族性高コレステロール血症の血清脂質濃度および血清脂肪酸,血清脂質各分画脂肪酸の百分比を健常群ならびに動脈硬化症群と比較検討して,本症では健常群に比し血清総コレステロール,コレステロールエステル,燐脂質,総脂質,総脂肪酸およびリポ蛋白指数に有意の高値を認めた.しかし動脈硬化症群と比較すると有意の差を認めたものはなかつた.血清脂肪酸百分比については動脈硬化症群に比べてリノール酸百分比は高値をとる傾向,パルミチン酸・オレイン酸百分比は低値をとる傾向がみらり,いずれの脂肪酸でも健常群との間に有意の差を認めなかつた.血清脂質各分画の脂肪酸構成については動脈硬化症群よりも健常群に類似する点の多いことを認めた.また,血清脂質濃度と血清脂肪酸濃度の関係について検討すると,本症におけるその関係は動脈硬化症群と異なついてる.なお,血清コレステロール濃度と血清リノール酸百比の関係について若干の考察をおこなつた.