糖尿病および本態性高血圧症における全交換可能ナトリウムおよび循環血液量
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概要
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糖尿病と動脈硬化および高血圧は密接な関係にあり,両者の間にはその病態生理に何か共通因子があるのではないかと考えられている.近年高血圧において組織中のNaが増加しているという報告が多くなつて来ており,再びNa代謝が注目されるようになつた.一方,糖尿病では電解質代謝異常が起こることは古くから認められているが,糖尿病におけるNa代謝にかんする研究は意外に少ない. Na代謝を介して両者を比較検討することはその病態生理の解明に役立つと考え, 22NaClを用いて入院中の男子患者に全交換可能Naの測定を行なった.糖尿病,とくに重症糖尿病で全交換可能Naは著明に増加していた.高血圧では僅かに増加していた.糖尿病ではNa代謝は特異的であり,これは糖代謝異常等によつて二次的に起こされたものと思われる.糖尿病におけるNa代謝異常が動脈硬化促進に関与しているとしても,糖尿病と高血圧ではNa代謝を支配している因子は同一とは考えられない.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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