腹部症状を伴なうneuromyelopathic syndromeの臨床的研究東京,戸田,室蘭,岡谷地区における観察
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概要
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東京,戸田,室蘭,岡谷各地区の腹部症状を伴なうneuromyelopathic syndromeを呈する症例を比較検討した.疫学的および神経学的所見では各地区の差は少なく,これらは同一疾患に属すると考えられた.知覚障害は全例に必発し,そのレベルが鼡径部以上にあるものも末梢神経障害が主となつていることが推定された.症例を臨床的に脊髄障害(M)と末梢神経障害(N)とに分けると,M+N, N. Mの順に減少し,Mのみの例は稀であつた.さらにMのみと考えられる例にも神経生検で末梢神経障害が認められ,末梢神経障害は本症のほとんど全例に認められる中核症状と考えられた.岡谷地区の某病院では入院患者,受持医師およびその家族に次々と本症が発症し,感染症が疑われた.しかし本症の原因は未だ確定せず,現在のことろ本症は特異な症候群と考えておくのが適当であろう.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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塚越 廣
東京大学腦研究施設
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豊倉 康夫
東京大学腦研究施設
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井形 昭弘
東京大学腦研究施設
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萬年 徹
東京大学腦研究施設
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杉田 秀夫
東京大学腦研究施設
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中西 孝雄
東京大学腦研究施設
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清水 貞
日本製鋼室蘭病院
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堀江 省吾
岡谷塩嶺病院