末梢循環の体液性調節にかんする研究家兎大腿筋Na131Iクリアランスに及ぼす諸種ホルモンの影響
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概要
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Na131I筋クリアランス法により末梢循環動態の観察を行ない,本法施行上の基礎的条件の検討と自律神経作動薬,下垂体副腎皮質ホルモン,性ホルモン,内分泌環境の変化による影響として睾丸切除および卵巣切除と蛋白同化ステロイドの影響につき観察した. Na131Iを使用しても甲状腺による影響はなくまた測定上の室温,局所皮膚温,体位,注射量の影響が大きいことが明らかとなり,本法施行の際の注意すべき点と思れる.ノルアドレナリンでは不変でありイミダゾリンおよびヒスタミンでは血流の増加をみとくに前者に著しいACTHでは血流の低下がみられこれに反してコーチゾンでは増大をまたバゾブレッシンでは著明な低下がみられた.テストステロン,エストローゲンの性ホルモンおよび睾丸切除と卵巣切除による内分泌環境の錯乱状態では著変ないしかし男性ホルモンを主体とした蛋白同化ホルモンのうち19NAPPでは軽度のΔ17αMTでは著明な低下がみられ, HMDでは不変であつたがE. Estのみ末梢血流の増加がみられた.これらステロイドの末梢循環に及ぼす効果は臨床応用上からも興味ある知見である.