心筋の電子顕微鏡的研究冠状動脈結紮によるイヌの心筋の形態学的変化およびその可逆性について
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概要
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イヌの心筋を電子顕微鏡で観察し,冠状動脈を結紮し虚血心筋の形態的変化をみた.結紮後60分以内の早期変化は,グリコーゲン顆粒の減少,細胞全体の腫脹,小胞体の拡大,ミトコンドリアの膨化,崩壊が主なものであつた.結紮24時間後には,各小器管の崩壊が著しく,ミトコンドリア内封入体を認めた.つぎに,15分から60分までの一時的結紮を行ない,24〜72時間後の心筋をみると,30分以内のものでは,グリコーゲン顆粒も再び増加し回復するようにみられたが,60分の例では崩壊の著しいものがあつた.一度虚血をうけた心筋組織の毛細管には,拡大した小胞の増加が著しかつた.血清GOT活性値は回復の像のみられた30分の例でも異常な高値を示すものがあつた.以上の所見について若干考察した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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