肝静脈カテーテル法による肝の物質代謝いかんする研究
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概要
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肝静脈カテーテル法を用い,健常犬の肝の物質代謝,糖負荷時の物質代謝ならびに四塩化炭素による急性中毒性肝障害犬の物質代謝にかんし検討を加えた.空腹時における健常犬の血糖値では,門脈血値が最高値を示す群がみられ,空腹時では腸管において糖を新生する可能性が窺知された.体重毎kg1gの糖の腸間膜静脈内急速負荷における動脈血,肝静脈血ならびに動脈血,ウェッジ血血糖値較差に変化が現われ,ウェッジ血,肝静脈血間には肝の調節機構が関与している如くであつた.また四塩化炭素による急性中毒性肝障害18時間後の血糖値は一様に低値をとり,低い血糖値のleve1での調節機購もさることながら,肝酵素活性の代償調節機溝の存在が推定された.さらに肝高度障害時では,総コレステロールは一般に高値を,中性脂肪は低値をとり,肝より放出の傾向にあり,燐脂質は収容の傾向にあつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文