循環器検査法の研究 : I. 標準Cournand type catheterによる簡易心腔内心電図誘導法とその応用
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概要
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Luisadaらは, 5%食塩水をカテーテルにとおし, これを電極としての心腔内心電図誘導法を報告したが, この法は5%食塩水を用いるという欠点がある. そこで, この方法に改良を加えて, 普通カテーテル時に常用しているヘパリン加生理的食塩水を標準カテーテルにとおし誘導する法を考案した. 5%食塩水より低張溶液であるので誘導ハムが増加したが, カテーテルをシールドすることでこれを防ぎ, ひずみのない波型をえることができた. 本法は, 心カテーテル時に常用している生理的食塩水を用いるので, 必要に応じて直ちに, 容易に施行しうる利点がある. 右心カテーテル患者60例に本法を施行した結果と, 心腔内誘導法の臨床面への応用について考察を加えた. また, 同じ生理的食塩水の電導を用いて, これにcardiac pace makerを接続して, 心停止犬に有効心拍出をえることもできた.
- 社団法人 日本内科学会の論文