Landry麻痺症状を呈した結節性動脈周囲炎の1剖検例
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概要
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症例は31才の女で,発熱,心症状,髄膜炎症状および下半身の完全麻痺で入院,その後急速にLandry麻痺が進行し4病日で呼吸麻痺のために死亡.剖検の結果,諸臓器組織とくに胆嚢,脾,胃,腸間膜等に系統的な結節性動脈周囲炎の病変を認めた.これら血管病変は中樞神経系,特に脊髄索内細小血管についても例外ではなく,これら細小血管を中心に多数の散在性軟化巣を形成し,かつ仙髄から延髄へと上方にゆくに従い出血,炎症細胞浸潤等の比較的新しい病巣を認めたことから,著者らはLandry麻痺の病因を結節性動脈周囲炎による中樞神経系の損傷に帰し,あわせて神経系病変を中心に文献的考察をおこなつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文