大阪湾におけるスナメリの分布と密度
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概要
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大阪湾におけるスナメリNeophocaena phocaenoidesの分布と密度を把握するために,大阪府環境農林水産総合研究所の海洋調査船「おおさか」によるスナメリ目撃記録の分析を行うと共に,湾中部海域を航行するカー・フェリーを用いてライントランセクト法による目視調査を実施した.海洋調査船「おおさか」は,2004年4月〜2007年12月の期間における263日間に,合計25群のスナメリに遭遇していた.同船は大阪湾の広い海域を航行していたが,スナメリは岬町〜岸和田市沖の湾東部海域(34°21′〜32′N,135°8′〜20′E)でのみ目撃されていた.また,カー・フェリーからの目視調査では,2005年10月〜2007年1月の期間に,Beaufort風力階級2以下の海況下を4,403 kmにわたって調査し,合計72頭のスナメリを発見した.発見位置は,湾東部海域(34°23′〜26′N,135°8′〜13′E)に集中していた.スナメリの密度は,3〜7月に高い値を示す傾向があった.ピークの4月における密度は,0.238頭/km2と推定された.これらのことから,スナメリは,大阪湾東部の限られた海域に主に分布しており,春〜初夏にかけてこの海域に多く来遊すると考えられた.
著者
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近藤 茂則
三重大学生物資源学部
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鍋島 靖信
大阪府環境農林水産総合研究所
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近藤 茂則
三重大学生物資源学部生物資源開発科学専攻
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近藤 茂則
大阪コミュニケーションアート専門学校
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神田 育子
大阪コミュニケーションアート専門学校
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石田 義成
大阪コミュニケーションアート専門学校
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