血清アルブミンの代謝,とくに病態肝における生合成について
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概要
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病態肝における血清アルブミンの生合成について,肝内アルブミンへの14C-leucineのとりこみを, in vivoおよびin Vitroの条件について検討したが,肝障害群では14C-leucineのとりこみは著しく低下し,ネフローゼ群では上昇していた.このような肝における血清アルブミンの生合成にかんする知識をさらに深めるために, hydroxyapatiteのカラムクロマトグラフィーによるアルブミンの細分画を試みた.正常では三つの分画(I, II, III)が得られるが,肝疾患では亘に分裂傾向が認められた.ネフローゼでは正常とほゞ同じパターンを示した.各細分画への14C-leucineのとりこみ率は,正常でも異なり, Iにもつとも高く,ついでII, IIIの順であった.ネフローゼではIとIIIの比放射能上昇が観察された,このような知見から, Iの細分簡が代謝的に活性の高い,しかもlabileなアルブミンであることが推論される.
- 社団法人 日本内科学会の論文