ネフローゼ症候群(リポイドネフローゼおよびネフローゼ加味腎炎)に対するステロイドホルモン使用による副腎皮質機能について
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概要
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ワポイドネフローゼおよびネフローゼ加味腎炎に対してステロイドホルモン(ス薬)の長期使用が行なわれているが,それに伴なつて起こる副腎皮質機能不全について検討した.ス薬を長期間使用した11例,使用中の9例,計20例についてACTH-Z 40単位3日間筋注法により副腎皮質機能を検査した.結果: 1)5ないし67カ月間, prednisoloneにして1904〜15018mgを使用した11例では,多くは中止後数ヵ月ないし約1年で皮質機能が回復したが,なかには2年以上にわたり機能低下の続いた例もあり,著しい個人差がみられた. 2)7ないし65カ月間, 2710〜16310mgを使用中の9例では, 5mg(1日量)使用中の8例に機能低下がみられ, 2.0〜2.5mg使用中の6例中3例が正常化した.したがつて,長期間使用しても下垂体副腎系を抑制しない1日量は, prednisoloneにして2.5mg以下と考えられる. 3)ス薬の使用総量および使用期間と,中止綾皮質機能の回復に要した期間との間には密接な関係はみられなかつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文