血清フォスフォジエステラーゼ活性からみたピールス性肝炎の予後
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概要
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核酸発解酵素の一種であるフォスフォジエステラーゼは小腸粘膜をはじめ人体諸臓器,体液中に広く分布し,肝疾患,腎疾患,悪性腫瘍,熱性疾患などで血清中の木酵素活性の上昇がみられるが,本酵素活性の消長からールス性肝炎の病態および予後について検討した.ビールス性肝炎では一般に発黄当初から木酵素活性の上昇を認め;臨床所見の改善につれ漸次低下し,経過良好な例では発黄後90日以内で正常値に復す.しかし胆細管炎型肝炎では病初正常値にとゞまり,発黄数週後から上昇傾向を示す.本酵素活性と一般肝機能検査および肝生検組織所見との関係についてみると, ZTT, CCLF,コバルト反応およびグ鞘における細胞浸潤,結合織増生の程度とかなり密な平行関係がみられる.また本酵素活性はビールス性肝炎のいずれの病期においても最も高い異常率を示し,その正常化は一般肝機能検査の正常化に比し極めて長い期間を要するものが多く, 102例のビールス性肝炎における発黄6カ月後の異常率は流行性肝炎53.4%,血清肝炎76.8%であつた.
著者
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乾 成美
岐阜大乾内科
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乾 成美
岐阜準県立医科大学
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青山 一朗
岐阜準県立医科大学
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渡辺 文彦
岐阜準県立医科大学
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川瀬 博由
岐阜準県立医科大学
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大橋 三与治
岐阜準県立医科大学
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神田 敏英
岐阜準県立医科大学
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杉浦 陽太郎
岐阜準県立医科大学
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時光 直樹
岐阜準県立医科大学
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塩屋 道規
岐阜準県立医科大学
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種田 掬也
岐阜準県立医科大学
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安藤 成人
岐阜準県立医科大学
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安藤 宏
岐阜準県立医科大学
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小島 峯雄
岐阜準県立医科大学
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永田 和夫
岐阜準県立医科大学
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端山 和雄
岐阜準県立医科大学
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蟹江 匡
岐阜準県立医科大学
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説田 周利
岐阜準県立医科大学
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入山 等
岐阜準県立医科大学
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