本邦のamyloidosis 57例について原発性amyloidosisの1例とpara-amyloid物質の概念
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概要
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Amyloidosisは近年本邦で著しく増加し,その頻度は一部の西欧諸国に接近ないし追い抜く位になつた.最近の本邦例57例の検索結果を報告し,併せて自験例1例を追加した.続発性amyloidosisの基礎疾患として近年惡性腫瘍,リウマチ,慢性気管支疾患が増加しつゝある. amyloidosisの臨床症状は甚だ多岐に亘るが,本邦例では胃腸障害が最も多く,心障害,肝腫大,腎障害などの頻度が高かつた. amyloidosisの臨床診断には,生検法で得た材料をコンゴー赤で染めて偏光顕微鏡的観察を行なうのが最もすぐれた方法である. para-amyloidosisという用語には概念の混乱があるが, para-amyloid物質を顕著に持つた症例と解したい.そういう物質の構造について一仮説を呈示した.症例は46才,女.呼吸困難と浮腫を主訴とし,大舌症があつたが,うっ血性心不全の臨床診断のもとに死亡した.剖検によりpara-amyloid物質ばかりから成りたつた原発性amyloidosisと判明した.
- 社団法人 日本内科学会の論文