成人リウマチ熱における血漿遊離17-hydroxycorticosteroidの代謝にかんする研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
成人リウマチ熱の病像は,小児のそれに比してニ,三特徴的な点が挙げられている.そこで,成人リウマチ熱患者について,その安静時血漿中遊離17-OHCS値とhydrocortisone静注後の血中半減期を検討した.未治療活動性リウマチ熱の安静時血漿17-OHCS値は発病1ヵ月以内の早期では軽度に上昇を示し, 1ヵ月以後のものでは正常下限または正常以下の値を示した. hydrocortisone血中半減期は活動性のもので延長し,未治療例ではA/Gとの間に相関関係がみられた.またその延長の程度は小児の場合よりもより著明であつた.ステロイド治療行なつた患者についても検討し,ステロイド中止直後では,疾病の再然または反跳現象により活動性の所見を認め,この時期では半減期は延長していたが, A/G比は正常であつた.治療により活動性の鎮静したと思われる時期では,半減期は短縮正常化した.本症の半減期延長と肝機能検査所見との間には認むべき関係はみられなかった.
- 社団法人 日本内科学会の論文