家兎網内系機能に及ぼす蛋白同化ステロイド,下垂体・副腎皮質および性ホルモンの影響
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概要
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蛋白同化ステロイド4-chloro-testosterone acetate (4Cl-TA)および19-nortestosterone phenylpropionate (19-NAPP)の家兎網内系機能に及ぼす影響を鶏血球法により観察した.その結果,両者とも網内系機能充進作用を認めたが,その作用は4Cl-TAの方がやゝ強く,かつ両者とも投与日数に比例して亢進作用も強まる.また同時に比較検討したtestosteroneおよびestradiolもまた亢進作用を認めたが,蛋白同化ステロイドの亢進作用はこれらとほゞ同じ程度の作用であつた. cortisoneは網内系機能を抑制したが, 4Cl-TAと併用するとcortisoneの抑制効果はある程度相殺される.また脾摘家兎に4Cl-TAを投与しても,その亢進作用は発揮されない.よつて4Cl-TAは脾を介して網内系にはたらくものと考えられる.去勢家兎の網内系機能は亢進を示した. gonadotropinは網内系機能亢進作用を現わした.網内系機能亢進家兎の脾体重比は低下家兎に比べ大きく,逆に肝体重比は小さい傾向を認めた.