皮膚筋炎の1例
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概要
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両膝関節のいたみと下腿のこわばりを主訴とし,皮膚症状が殆どなく,筋症状のみが著明で,診断が比較的困難であつた皮膚筋炎の1例を報告した.生検による組織学的所見で,皮膚には極めて軽度の異常が認められたにすぎないが,筋組織の変化は著明であつた.筋組織の血管壁は強度に肥厚,増殖しており,部分的には内腔は殆ど閉塞していた.しかし血管壁には細胞浸潤はもはや殆どない状態であった.動脈撮影像でも小血管の閉塞,蛇行がみられた.この患者は当科入院前に7500mgの大量のプレドニソロンを服用しており,当科入院後にはコルチコステロイドおよびACTHは全く効果を示さなかつた.このことから膠原病で血管壁に細胞浸潤のない,肥厚のみの状態になつたものにはステロイド療法は無効ではなかろうかと考えられた.本症例ではクロロキン,蛋白同化ホルモン,温泉,理学療法が効果を示した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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