血小板の微細構造にかんする研究
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概要
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健常者および諸種出血性素因患者血小板の微細構造を検索した. 1)健常者: granulomer αの大きさは平均長径0.23μ,短径0.15μで電子密度が高く,均質な基質を有する.ミトコンドリアは極めて小さく,二重の限界膜およびcristae mitochondriaiesを有する. endoplasmic reticulum, Golgi野の存在を確認した.いわゆる空胞の他に特異な空胞を認めた. 2)血小板無力症: granuleomer αの電子密度の増強及び変形, endoplasmic reticulumの腫脹増大などの変化が認められた. 3)血友病A: granulomer αの電子密度の増強および数の減少,ミトコンドリアの膨化および数の減少, endoplasmic reticulumの減少などの変化が認められた. 4)血友病B:一部血友病Aに共通した変化を有する他は健常者血小板により近い所見を有する. 5) Willebrand-Jürgens型出血性素因:本症に特異的と想われる所見は見出し得なかつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文