甲状腺疾患における血中甲状腺自己抗体の臨床的意義
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
橋本病をはじめとする各種甲状腺疾患患者血中に証明される甲状腺自己抗体の意義については今日ほとんど明らかにされていない.そこで確実に診断した甲状腺疾患患者343例につき,血中甲状腺自己抗体をthyroglobulinを抗原とする沈降反応(PT),タンニン酸処理血球による感作血球凝集反応(TRC),および機能亢進症のmicrosome分画を抗原とする補体結合反応(MCF)の3法により測定し,臨床症状,検査所見,治療,経過,とくに甲状腺組織所見と対比せしめ,かかる血中抗体の臨床的意義につき検討を加えた.血中抗体陽性率は甲状腺疾患で他種疾患,健康者に比しいちじるしく高く,甲状線疾患では慢性甲状腺炎が抗体価ともに高い値を示し,ついで機能亢進症に高値を呈した.その他の疾患でも種々の値で血中抗体ば認められた.かかる甲状腺自己抗体は慢性甲状腺炎を代表とする組織の炎症性変化と深い相関を示し,甲状腺組織の自己免疫による炎症性変化の存在を示すものと考えられる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
関連論文
- 亜急性甲状腺炎の症状を呈したアミロイド甲状腺腫の1例
- 甲状腺疾患における血中甲状腺自己抗体の臨床的意義
- Effect of Synthetic LH-RH and its Analogues on Cyclic AMP Formation, LH and FSH Release in Rat Anterior Pituitary
- Radioimmunoassay of Placental Alkaline Phosphatase Special Reference to Heat-stable Alkaline Phosphatase