リウマチ熱におけるコンドロイチン硫酸負荷試験の臨床的ならびに実験的研究
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概要
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リウマチ熱を抗炎症薬で治療すると,急性期反応物質とくにCRPは速かに陰性化するが,ここで治療を中止するとしばしば再燃がみられる.したがつて急性期反応物質の正常化は必ずしも活動性の消退を意味するとは限らないので,未だに治療中止時期の指標となるものがない.わたくしは本時期の決定にかんしコンドロイチン硫酸負荷試験(CST)を行ない臨床的ならびに基礎的実験によりCSTの有用性を確認し,さらにこれらの成績に基づき臨床的意義についての検討を加えた.すなわち本症が活動性の時にはCSTは健康人と逆の陽性を示すものが多かつたが,.発症10週頃より健康人と同傾向の陰性化がみられた. CST陰性時期には急性期反応物質に異常値を示すものもあつたが,本時期に治療を中止した症例には何らのrelapseもみなかつた.しかるに陽性時期に治療を中止すると,全例にrelapseの症状が出現し心電図•心計測所見でも再悪化がみられた.したがってCSTは治療中止時期の決定として利用しうることが判明し,かゝる指標となることを臨床的に証明した. CST陽性時に治療を中止した場合の症状•検査成績の再悪化所見は,陰性時のそれと態度を異にしたのでrelapseと考え, CSTによりreboundとは明確に区別しうることを認め、さらにCSTを利用して全炎症過程を算定した結果よりprednisolone早期大量投与法の有効性を示した.また基礎的実験によリアリールアミン処置家兎に行なつたCSTの成績より動物実験でも本反応が確認され,試験管内実験よりCSTの陽性化をめぐり若干の考察を加えた.
- 社団法人 日本内科学会の論文