細胞遺伝とビールスから観た白血病及び癌の発生機構にかんする実験的研究
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概要
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癌や白血病の発生過程において細胞遺伝とビールスがどのように関与するかについて, 8種類のマウス白血病と5種類のマウス乳癌を用いて実験全研究を行なつた.マウス白血病でも乳癌でも自然発生当時の染色体にはあまり著明な変化は認められないが,その腫瘍組織内にビールス小体を検出する事ができる.又マウス白血病で無細胞臓器抽出液により高率に移植可能である.しかしながら長期間,移植を続けると腫瘍組織内にはビールスの検出が困難になる.移植白血病では核型にあまり変化はないが,しかしselectionやmutationによつて変異を起こすことがあり核型は更に安定する.以上の成績から,マウスの白血病や乳癌の発生過程においてビールスが関与するものと考えざるを得ない.しかし惡性腫瘍の増殖が成熟ビールスによつて維持されるとは考えられない.腫瘍細胞自体に惡性増殖の仕組みが存在する.これは恐らくプロビールスの形で,染色体にlinkして細胞の分裂増殖に直接関与するものと思われる.
著者
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佐藤 宏
福島県立医科大学医学部内科学第二講座
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粟野 亥佐武
福島医大第一内科
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津田 福視
福島県立医科大学粟野内科
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安部 淑子
福島県立医科大学粟野内科
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国分 一彦
福島県立医科大学粟野内科
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栗野 亥佐武
福島県立医科大学栗野内科
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外島 伸
福島県立医科大学栗野内科
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福田 礼子
福島県立医科大学栗野内科
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松山 茂
福島県立医科大学栗野内科
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橋本 辰彦
福島県立医科大学栗野内科
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高橋 功光
福島県立医科大学栗野内科
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安部 淑子
福島県立医科大学栗野内科
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国分 一彦
福島県立医科大学栗野内科
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津田 福視
福島県立医科大学栗野内科
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佐藤 宏
福島県立医科大学医学部 内科学第二講座
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