急性ポルフィリン症の1例
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概要
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典型的な急性ポルフィリン症を経験し,かつ剖検する機会を得た.症例は32才の男.腹痛,高血圧,精神症状,四肢運動麻痺,横隔膜麻痺を主要症状とし,ついに呼吸麻痺のため死亡した.尿は入院期間中,終始,赤褐色ないしブドウ酒色を呈し,ポルフォビリノーゲン強陽性,コプロポルフィリン陽性,ウロポルフィリン弱陽性であつた.剖検により横隔膜神経は左右とも内鞘は浮腫状を呈し,髄鞘は顆粒状変性,崩壊,脱髄などの所見を認め,軸素にも部位的に腫張,顆粒状変性,断裂などを認めた.このことは本症の横隔膜麻痺を裏づける意味あるものと考える.
- 社団法人 日本内科学会の論文