40才以上の年令層における糖尿病の早期発見と糖尿病の診断基準にかんする研究
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概要
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集団検診によつて未知の糖尿病を発見することは,そのまゝ早期治療さらには患者の予後につらなる問題であり,その成績判定についてはつねに慎重な検討が必要である.著者は飽食試験による本邦の糖尿病研究班の診斷基準にもとづき, 40才以上の壯老年者780例の検診を行なつて糖尿病9.4%,疑糖尿病13.6%の成績をえたが,これらの成績が糖同化能以外の因子によつて影響される可能姓を,充分考慮する必要がある.また,症例のその後の經過を長く觀察することは,当初の判定が妥当であつたか否かの判断に欠くことができない.著者は飽食試験に加えてブドウ糖静注負荷試験を行ない,また同一症例の季節的,經年的經過を觀察した.その結果,現行の糖尿病判定基準は少し厳格にすぎると判断し,壯年者にあつては飽食試験後2・3時間値がともに160mg/dl以上の場合を糖尿病として管理すべきことを提唱した.
- 社団法人 日本内科学会の論文