尿細管有機酸代謝とその臨床的意義 : 第2編 腎疾患時の尿細管有機酸代謝
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
腎,特に尿細管転送機能に関して,その機序遂行に必要なエネルギー源,およびその代謝様相をうかゞわんとし,今回は慢性腎炎患者につき血漿および尿中の有機酸(乳酸,焦性ブドウ酸,クエン酸,α-ケトグルタール酸)濃度を測定し,クリアランス法によりその変動を追求し,その臨床的意義について考察した.すなわち尿細管機能の指標として,パラアミノ馬尿酸クリアランスを取り,これが300cc/min以上においては,尿細管細胞代謝が平衡関係を維持するも, 300cc/min以下では不平衡が生じ,特に100cc/min以下で著明となり,これらの変化は尿細管細胞代謝活性の変化に由来すると考えられた.
- 社団法人 日本内科学会の論文