胃粘膜癌の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
われわれは術前に胃X線検査および胃カメラ検査によつて胃ポリポージスと診断し,切除胃標本の組織学的検査によつて胃粘膜癌と決定された1例を記載し,いわゆる胃ポリープの癌化について考究した.症例は32才の男,坑員.主訴は空腹時上腹部痛,悪心,上腹部膨満感.家族歴および既往歴に特記することはない.現病歴は約10年前から胃のもたれ,上腹部鈍痛などの症状が出没,一進一退の経過をたどつていた. 1カ月前から胃症状が強くなつて当科を受診.現症は体格中等,栄養はよくない,舌は薄い白苔に被われ浅く亀裂する.頚部リンパ節は触れない.上腹部に圧痛がある.小野寺氏圧痛点(〓).胃液は低酸を示し,乳酸および潜血反応陰性である.