結核症並にこれに対する抗結核剤の副腎皮質に及ぼす影響に関する病理組織学的研究(第1報) : 第1編結核屍における副腎皮質の変化について
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概要
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結核症の治療に際しては細菌・薬剤・宿主の相互関係に関する認識が重要で,宿主の内分泌臓器殊に副腎皮質の結核症における慢性Stressに対する生体防衛機構としての意義が注目されている.よつて私は病理組織学的に結核屍体の副腎皮質と結核性変化との関連性について検索し,全46例中肺結核37例では細胞の配列不整21.6%,萎縮40.5%,線維化37.8%,変性乃至壊死と認められるもの24.3%であつた.これらの変化を球状層,束状層及び網状層の3層について見れば,束状層に多い傾向が見られた.又結核症全46例の副腎皮質に退行性変化の見られる割合は41.3%,肺結核のみについて言えば45.9%であつた.しかし副腎皮質における特殊性結核性病変は認められなかつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文