リウマチ性疾患における副賢皮質機能に関する研究
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概要
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リウマチ性疾患の病態については不明の点が多いが,その病態を考察する手掛りとして臨床症状並びに治療効果にかなりの差異があるリウマチ熱(リ熱と略)とリウマチ様関節炎(リ関と略)の兩疾患の副腎皮質機能を,主として尿中17-Ketosteroids (17-KS)排泄量を指標として比較檢討した. 17-KS値は兩疾患ともに低値で,正常値以下を示すものもあつた。特にリ関では障害程度の進行せるもの程低値の傾向にあつた. ACTH筋注試驗,アスピリン6g経口投與による17-KSの増量はり熱で,健康者と大差がなかつたが,リ関では明らかに増量が少なかつた.さらに治療前同時に測定した血清ムコ蛋白値と17-KS値との関係は,リ熱では正の相関があつたがリ関ではなく,また血中ビタミンC値と17-KS値はリ熱では正の,リ関では負の相関がみられた.以上兩疾患は急性,慢性の差だけでなく,本質的な相違があるのではないかと思われ, 17-KS測定は兩疾患の病態を知る有力な手段となるものと考える.