輸液並びにAdrenalineの肺淋巴動態に及ぼす影響 : 第1編輸液の肺淋巴動態に及ぼす影響
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概要
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肺水腫発生機序を解明する為に,私は10kg内外の成犬を用いて輸液(生理的食塩水)並びに自律神経遮断剤の肺淋巴流に及ぼす影響を観察した.緩速輸液,急速輪液は共に肺淋巴流星を増加させる.なお両者を比較すると後者の方が増加度は大である.これらの淋巴流量の増加は緩速輸液においては血漿蛋白量の減少によるものであり,急速輸液では血漿蛋白量の減少に加えて血行動態の変化が起こつた為と考えられる.緩速輸液により呼吸数は影響されないが,急速輸液では呼吸数は増加する.この呼吸数の増加が淋巴の排出量を増加する.この事より一般に多呼吸は肺水腫解消の一契機をなすと思われる,緩速輸液下における肺淋巴流量は自律神経遮断剤により影響されないことから,肺毛細管自体は自律神経によりあまり影響されないことを知つた.
- 社団法人 日本内科学会の論文