肺結核症いおける肺機能障害の換気力学的研究 : 肋膜,胸廓の病変を中心として
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概要
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助膜および胸廓に病変のある拘束性障害を主とする肺結核症に対して,安静換気時, CO2吸入による過換気時および自発的過換気時の換気力学動態について,とくに過換気時における仕事量の増加の態度について檢討した.助膜べんち形成例および胸廓形成術施行例は,それが片側であっても,安靜換気時すでに,換気力学諸量が,健常群,軽度肺結核群と著しくへだたりのあるものが多い.1例成形他側べんち例では,肺にほとんど病変がないと思われるにもかゝわらず,高度肺結核症,肺線維症に匹敵するほどの換気力学諸量の悪化がみられた.これらの症例は,換気仕事量の増大による血液ガスに対する悪影響を改善するために,過換気をおこなわせると,經濟的な過換気をおこなうものと考えられるCO2吸入による過換気においても,正常例とことなり,さらに換気の能率が低下し,また,自発的過換気においては,これら能率の悪化による仕事量の増加のため,換気量を増加しえないという悪循環が招来されることを知った.
- 社団法人 日本内科学会の論文