赤白血病の1例
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概要
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全経過が約1年5カ月のHeilmeyer-Schoner型と思われる赤白血病の1例を経驗し,剖檢の機会を得た.患者は45才の男で微熱,眩暈,出血斑を主訴とし,蒼白な皮膚と出血性素因の他,肝,脾の腫大を認め,末梢血では著明な貧血と多数の赤芽球の出現があり,白血球は軽度の増加と幼若型の出現を,血小板は減少を,網状赤血球は増加を認めた.骨髄では赤血球系細胞の著明な増加と巨赤芽球様赤芽球のほか異常赤芽球が認められた.白血球系には著変がなかつた.入院後は出血性素因強く一般状態も悪化したが,輸血及びCortisoneの投與で改善され約7カ月の緩解が得られた.その後肺炎を併発し,消化管出血で死亡した.剖檢では各造血臓器は濃赤〜暗赤色を呈し,著明な赤芽球の浸潤と散在性の幼若白血球の浸潤が見られ,赤白血病と診断された.輸血とSteroidhormoneがある程度治療効果を示したが, 6MP, Nitrominの投與は流血中の細胞の減少を見るも,一般状態の改善は認められなかつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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高田 昭
金沢大学医学部第一内科教室
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山田 素良
金沢大学医学部第一内科教室
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小林 一到
金沢大学医学部第一内科教室
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沢田 大成
金沢大学医学部第一内科教室
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高沢 嘉人
金沢大学医学部第一内科教室
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船木 悦郎
金沢大学医学部第一内科教室
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高田 昭
金沢大学医学部武内内科
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高田 昭
金沢大学医学部内科学第1講座