実験的動脈硬化症における大動脈壁アミノ酸組成について
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概要
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実験的粥伏硬化症における動脈壁蛋白代謝の一端を窺うために,高圧濾紙電気泳動法を用いて家兎大動脈壁アミノ酸組成を分析し,同時に肝及び血中アミノ酸,血中脂質値と比較した.更に高蛋白食及び低蛋白食のこれらに及ぼず影響をみた.動脈壁構成アミノ酸組成のラノリン投与に伴なう変化はLansing等によつて報告された動脈エラスチンのアミノ酸組成の年令的変化と似ており,ジカルボン酸の増加どグリシン及びアラニンの減少が初期から著明であつた.動脈壁遊離アミノ酸組成,肝及び血清遊離アミノ酸組成も初期から変化したが相互に関連を見出せない.高蛋白食では各組織アミノ酸組成の変化に特異なものなく,それぞれ対照より軽度であった.血中脂質値の変化及び粥状腫の発現も多少おくれた.低蛋白食では粥状腫が早期に出現したが高脂血症を伴なわず,各組織アミノ酸組成は対照と同様の態度を示した.
- 社団法人 日本内科学会の論文