心肺疾患に於ける肺機能の研究 : 第2報心肥大と肺機能との関連に就いて
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概要
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心疾患における呼吸困難の状態を把握する為, X線写真による心の大きさと肺機能との関係,並びに体位変換,治療前後の肺機能につき考察した. 1)心の大きさを増すに伴ない,肺機能は低下し,呼吸数,分時呼吸量の増加,分時最大呼吸量,換気予備率,動脈血酸素飽和度,炭酸ガス量の低下を認めた. 2)臥位より坐位への体位変換の影響は心肥大の著明な群に最も大きく,呼吸数,分時呼吸量の減少,分時最大呼吸量,換気予備率,肺活量の増加等,改善を示した.なお肺内ガス混和,血液ガスの変化は前者に比し軽度であつた. 3)治療により呼吸動態の改善を見たが,肺活量,補気,呼気予備の増加は少なかつた.肺内ガス混和,動脈血酸素飽和度は不良のものには改善を認め,動脈血炭酸ガス量は著明に増加して正常値に近付いた.