本態性高血圧症の予後に及ぼす降圧剤長期維持療法の効果に関する研究 : 継続治療群125例を含む489例の合併症ならびに死亡の発生に関する統計的研究
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概要
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高血圧症に対する降圧剤療法は臨床上広く用いられ,降圧効果等は広く認められるところであるが,長期継続療法による重要諸臓器に及ぼす効果についても明らかにされてきている.又悪性高血圧の予後を改善せしめた成績も若干発表されている.しかし本療法が一般診療で見られる本態性高血圧疾患者群の予後を改善させ得るか否かにつき,系統的に行なわれた研究は未だ見られない.本論文は此の点を解明する為に,予後調査で平均3年間追跡された中等乃至重症本態性高血圧症を降圧剤使用状況により4群に分け,それらにつき死亡のみならず合併症の発生に関して検討することにより,現況に於ける本症患者の予後の統計的研究を行ない,降圧剤長期維持療法が本症の予後を著しく好転させていることを明らかにした.又重症例では強力な降圧剤の突然の中断は,特に短期間内の脳合併症発生の危険を高めることを示した.なお長期維持療法に於ける降圧剤維持量と血圧,眼底所見,年令等の因子につき若干の検討を加えた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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