肺結核患者赤血球の一凝集反応 第2報
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概要
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第1報において述べたように, 肺結核患者の赤血球は結核免疫血清と凝集反応を起こす. この度は, このわれわれの凝集反応と肺結核の軽重あるいはその各症候との間における関連性, およびMiddlebrook-Dubos反応との間における関連性を追求した. われわれの凝集反応とMiddlebrook-Dubos反応とが, 同時に採血された赤血球と血清とについて行なわれた. 対象は肺結核患者140名である. 肺結核の軽重は, 赤沈, X線写真, 喀痰あるいは胃液中の結核菌および合併症を考慮して決められた. 得た結果は次のようであつた. 1) この凝集反応の力価は, 肺結核の重いものに高く, X線上の変化の高度のものに高く, 結核菌陽性のものに高く, 赤沈の促進しているものに高く, またB型の患者に高かつた. ツベルクリン反応の強さとの間には特別の関係は見出せなかつた. 2) われわれの凝集反応は, Middlebrook-Dubos反応と種々の臨床的関連において相一致しているが, ときには一致していない. われわれの反応においては, 種々の実験成績の相互間には, 相矛盾するところはなかつたが, M-D反応においては相互間にやや矛盾するところがあつた. 3) われわれの凝集反応は, M-D反応と同様にあるいはそれ以上に, 臨床的に役立つものと考える.
- 社団法人 日本内科学会の論文