銅蛋白の臨床 : 特に銅蛋白含有グロブリン物質の末梢血液及び骨髄に及ぼす影響
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概要
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目的: 治癒しがたき血液疾患, 例えば再生不良性貧血, 顆粒細胞減少症, 白血病等の疾患の治療. 特徴: 蒸留水10倍稀釋犬血漿を醋酸酸性にてpH 5.9にて沈澱せしめた分劃より青色, 白色グロブリン物質を分離し (青色, 白色物質は銅蛋白Caeruloplasminの色である), これを家兎に反復注入し末梢血血液像及び骨髓の病理組織学的変化を追求した. 結果: 酸化型銅蛋白 (Cu++ -protein) を含む青色グロブリン物質を家兎に注入すると, 末梢血で赤血球數, 白血球數, 血小板數減少, 骨髓は低形成性または無形成性となる. 還元型銅蛋白 (Cu+ -protein) を含む白色グロブリン物質を家兎に注入すると, 赤血球, 白血球數等増加し, 骨髓は脂肪球縮少, 髓索曠大し, 実質細胞の増加を見, 過形成性となる. 本論文は銅蛋白が骨髓に過形成性にも, 無形成性にも働くことの端緒を見出した論文である.
- 社団法人 日本内科学会の論文