実験的細菌性心内膜炎の研究ペニシリン並びにプレドニゾロン併用型式について
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概要
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感染症に対する抗生剤, 副腎皮質ホルモン併用療法の効果は報告者により区々である. ホルモンの投與量, 投與期間, 併用方法により, 効果に差異を来たすことも推測されるので実驗を行なつた. 家兎にStreptococcus sanguisを用い, 燐脂質法により実驗的細菌性心内膜炎を発症せしめ, Penicillin (Pc), Prednisolone (PSL) の併用療法を行なつた. (1) Pc, PSLを同時に開始するか, まずPcを使用し, その後PSLを併用したものの方が, 先にPSLを使用してからその後Pcを併用したものより治療成績が良かつた. (2) PSL大量 (5-10mg) 併用は一般状態を惡化させた. 疣贅発生をみたものでは, PSLの多少に拘らず長期間併用することは, 生体側に惡影響を及ぼす. (3) 疣贅発生群では, PSL短期併用群はPc單独群よりも治療成績良く, PSL長期併用群は最も惡かつた. 疣贅発生のない群では三者間に治療効果の差異を認めない. (4) PSL終了時にACTHを併用したものは, しからざるものより治療成績が良かつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文