骨髄およびリンパ組織の電子顕微鏡的研究 : (その1) 幼若單球の電子顕微鏡的所見について
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概要
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幼若單球の性状を追究する目的で, 諸檢査ならびに剖檢によって確認した單球白血病患者の骨髓穿刺材料を電子顯微鏡によって觀察し, リンパ球系幼若細胞, 好中球系幼若細胞および細網内皮系細胞の電子顯微鏡像と比較した. その結果, 本例にみられた幼若單球は一般に大型で, 核は類円形のものから凹凸のある不整形のものまで種々あり, 多くのものに核仁が認められる. 胞体は輪廓がやや不明瞭で, 核の彎入部に位置する発達したGolgi野が認められる. 糸粒体も一般に核の彎入部に集る傾向がある. 一方小胞体の発達はあまりよくない. 顆粒としては中性嗜好顆粒よりもやや小さい顆粒を認めるが數は少なく, RNA顆粒もあまり多く含まれていない. 以上の所見からこの細胞は多分に幼若好中球の性格をもっていると考えられた.
- 社団法人 日本内科学会の論文