心房中隔欠損症の心音図学的研究
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概要
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心房中隔欠損症37例において, 多段階心音計を用いて心音図学的觀察を行ない, 種々の臨床診断に有意ある所見を得た. 結果は次の通りである. 1) 心尖部第I音は健康者に比し明らかな強盛をみた. 2) 肺動脈II音の分裂がみられ, 分裂は0.03-0.07秒の間を示し, 大部分0.05-0.06秒であった. 右心靜脈カテーテルで確かめ得た17例中, 6例に分裂をみとめなかったが, これらは比較的たかい肺動脈圧を示した. 肺動脈II音亢進度と肺動脈圧の間に, かなりの相関をみた. 肺高血圧例においては肺動脈II音は亢進した. 3) 収縮期雜音の強度は心室中隔欠損症より弱い. 雜音の形態はプラトー型がもっとも多い. 雜音の最大振幅の位置は收縮期の前半にあった. 持続率は收縮期全区間にわたることは少ない. 雜音発生時間 (Q-Mm時間) は平均0.12秒であり, 全例0.10秒以上である. 4) I音弁開閉時期では右室側成分が遲れる. このことは本症が右室負擔であることを示す.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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