ペプシノーゲン分泌に関する研究 : 第6編 尿ペプシノーゲンにおよぼす脳下垂体および副腎摘出の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1953年Cray等は尿ペプシノーゲンがACTH, Cortisoneにより増加し, Addison氏病ではその排泄が減少し, Cushing氏症候群では増加することからその内分泌性調節を推定した. 著者はこれを追試し, 同様の事実を確かめ, 更に種々のストレスが尿および血清ペプシノーゲンを増加せしめること, また健康人では年令, 性別による変動があたかも17-KSのそれに近似していることを知った.この報告ではラツトに腦下垂体摘出および兩側副腎摘出を行なったが, いずれも摘出後數日間著明に減少し, 以後徐々に減少を続けることを知った. Cushing氏症候群患者の副腎亞全摘出後にも尿ペプシノーゲンが著明に減少し, Cortisone投與である程度の囘復を認めえた. これらの事実からペプシノーゲン分泌は下垂体副腎皮質系を介するものと考える.