Host Response生起物質の投与による実験的心筋硬塞のベクトル心電図及び心電図の研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
細菌性多糖類分画,組織多糖類などのHost Response生起物質たる高分子,高粒子物質を家兎に連続投与して,実験的に心筋硬塞及び心筋硬塞様障害を作製した.この非開胸的に作製した心筋硬塞によつて心電図がどの様に変化するかを経過を追つて研究した.一般的傾向としては病巣の程度に比例する心電図変化を見たが,中に心電図変化と病巣と並行しないものが多くあつた.即ち心内膜下筋層に広汎な硬塞が認められながら心電図QRS, ST-Tに全然変化が見られなかつたもの及びQRSに著明な変化が無く,軽いSTの変化を見たものが多くあつたことは注目に値する.しかし従来の心電図に変化として認められなくともベクトル心電園から心筋硬塞の発現を診断し得るのではないかと考えられる.そこで上述の内からベクトル心電図を並行して撮影した結果, QRSベクトル環の前方起始部の減少,消失から前壁中隔硬塞, QRSベクトル環下部,側部の変形から後・側壁硬塞が診断された.このベクトル心電図の変化の内で心電図変化と対応するRの棘高について検討した結果,対照心電図のV1, V2のR棘高に比し急激に減少した場合には,前壁中隔硬塞の可能性が多いことが認められた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
関連論文
- 24) 左室流出路および流入路肥大とベクトル心電図 : ベクトル心電図に関する研究(第18報)(第13回日本循環器学会関東・甲信越地方学会総会)
- 14) 高粒子物質による実験的心筋梗塞の心電図及びベクトル心電図所見(第11回日本循環器学会関東地方学会総会)
- 4A16 蝉の発音機構とそのモデルについて (II)
- Host Response生起物質の投与による実験的心筋硬塞のベクトル心電図及び心電図の研究