高γ-グロブリン血症の成立機序に関する研究
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概要
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実験的に得られる高γ-グロブリン血症として, 免疫及び肝硬変症を対象に選んだ. 免疫は家兎を用い, γ-グロブリンの増量と抗体価の関係, 及び種々の操作がγ-グロブリンの増加に如何なる影響を示すかを検討した. 又ラッテの実験的肝硬変症で肝臓の潅流実験を行ない肝臓自体と血清の高γ-グロブリンの関係を検討した結果, 肝硬変症に見られる高γ-グロブリン血症が, 肝組織の病像とよく平行関係を示しているにもかかわらず, 肝臓の蛋白生成能の変化に起因するものでない事を知つた.免疫によるγ-グロブリンの増量は従来考えられていた如き特異抗体の増量のみによるのではなく, 同時に産生される非特異的なγ-グロブリンが大きな役割を占め, 或る条件ではその両者が異なつた態度を示す事を明らかにした.
- 社団法人 日本内科学会の論文