オリフィスによる凝集粉塵の分散
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概要
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数種類の粉体の凝集粉塵をオリフィスで分散させ, 得られた分散粉塵の粒度分布をスリット型カスケード・インパクターで測定した. 使用した粉体はタルクの微粉体, 関東ローム粉 (試験用粉体11種, JIS Z8901), ホワイト アランダム#8000, 炭酸カルシウムである.<BR>凝集粉塵はオリフィスの気流によって大変よく分散される. どの種類の粉体の場合も, 分散の程度と気流の強さの間に, 次の定量関係がある.<BR>D<SUB>p50a</SUB>/D<SUB>p50s</SUB>=31.3∈<SUP>-0.2</SUP> (1)<BR>ここで, D<SUB>p50a</SUB>はカスケード インパクターで測定した粉塵の50%粒子径, D<SUB>p50s</SUB>は沈降天秤法で測定した試料粉体の50%粒子径である. また, ∈はオリフィスを通過する気流の強さを表示するパラメータであり, 次の式で定義される.<BR>∈=0.4ΔP<SUB>o</SUB>u/d<SUB>o</SUB> [J/m<SUP>3</SUP>・s] (2)<BR>ここで, ΔP<SUB>o</SUB>とuはオリフィスを通過する気流の圧力損失 [Pa] と平均流速 [m/s], d<SUB>o</SUB>はオリフィス径 [m] である.<BR>次に, ∈を計算するための簡略式を得た.<BR>∈=2.7×10<SUP>6</SUP>Q<SUB>o</SUB><SUP>3</SUP>/d<SUB>o</SUB><SUP>7</SUP> [J/m<SUP>3</SUP>・s] (3)<BR>(Q<SUB>o</SUB>: [l/min], d<SUB>o</SUB>: [mm])<BR>ここで, Qoはオリフィスを通過する空気流量である. Eqs. (1), (3) は実用面で大変有効である. たとえば, 7.0mmφのオリフィスでよく分散した浮遊粉塵を得ようとする場合, 必要な空気流量は次のように計算できる. まず, Eq. (1) で, D<SUB>p50a</SUB>/D<SUB>p50s</SUB>=1とおくと凝集粉塵を完全に1次粒子にまで分散するために必要な気流の強さが求まる. その値は3.0×107J/m3・sである. 次にEq. (3) から, その気流の流量がQ<SUB>o</SUB>=210l/minと求まる.
- 社団法人 化学工学会の論文
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