Thioacetamideによる実験的肝硬変の機能と形態に関する研究
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概要
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SD系雄性ラットに0.04% thioacetamide (TAA)を飲料水として3, 6, 9ヵ月間経口投与した群(I群)及び上記の各期間ののちに0.075% TAAを2週間追加投与した群(II群)の各群を無処置同齢群を対照として機能及び形態的に検討した.TAA投与群は組織学的に重度及び軽度肝硬変,肝線維症,無変化群に分けられこの順に(++), (+), (±), (-)とした.<BR>I群では6ヵ月以上で約70%が組織学的に肝硬変像を呈し,II群で更に肝硬変発生率が上昇した.またgrade(++)の占める割合はI群6ヵ月で20%に対しII群6ヵ月2週では64%と,0.075% TAAの追加投与により硬変は重症化した.更に,組織学的gradeの進展とともに肝実質細胞容積比は減少し,これと相関した肝ミトコンドリア呼吸能の低下が認められた.一方,硬変の進展とともに肝重量/体重比は上昇し,ICG消失率の低下をある程度抑制する傾向がうかがわれた.以上より硬変化による肝細胞機能の低下を代償性肥大が補う病態が示唆された.
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