慢性肝疾患における血清総胆汁酸濃度の臨床的意義
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概要
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慢性肝疾患において,空腹時血清総胆汁酸濃度(F・TBA)およびUDCA 600mg経口負荷後の最大値(M・TBA)を酵素蛍光法で測定し,その臨床的意義を検討した.F・TBA, M・TBAの慢性肝疾患における異常出現率は,おのおの67%, 98%であり,M・TBAには各疾患群間で有意の差が認められた.F・TBA, M・TBAのいずれもICG, BSP,ヘパプラスチンテストと有意の相関がみられた.またTBAと食道静脈瘤および経直腸門脈シンチグラフィーによる心/肝血流比との間には,それぞれ有意の関連がみられた.以上より,F・TBA, M・TBAの測定は慢性肝疾患の組織学的進行度の推測に有用であり,また肝機能予備力の指標の1つとなりうる可能性が示唆された.さらにTBAの測定は門脈大循環短絡の程度を反映する簡易な血清学的マーカーになりうるものと思われた.
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