ラット肝化学発癌過程における細胞増殖動態と膵ホルモン環境
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概要
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発癌過程における細胞増殖動態と膵ホルモン環境について,その一端を明らかにする目的で以下の実験を行った.Solt & Farberの発癌モデルを用い,1週目から5週目まで毎週,細胞増殖動態はautoradiographyで解析し,膵ホルモン環境としてinsulinとglucagonの門脈血中と大動脈血中のIRG/IRIおよび大動脈血中のc-AMP/c-GMPを求めた.Cumulative labelling indexは1週目に高く,以後経時的に低下したが,明らかなhyperplastic noduleの出現する4, 5週目に著明に高くなった.中央断面の肝細胞数が50個以下の小さいhyperplasticno duleではcumulative labelling indexが高く,中央断面の肝細胞数が200個以上の大きいhyperplastic noduleではcumulative labelling indexが比較的低く,増殖能の低下がみられた.門脈血中のIRG/IRIとcumulative labelling indexとはよく相関して変化した.<BR>この事実は,発癌のpromotion段階で膵ホルモンが重要な役割をになっている可能性を示唆していると考えられた.
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