肝内門脈肝静脈瘻の2例
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概要
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スクリーニング検査として行った超音波検査(以下USと略す)にて発見された肝内門脈肝静脈短絡の2例について,超音波像の特徴を中心に報告した.症例1は約5年前に腹腔鏡検査にて乙型肝硬変症と診断され,外来通院中であったが,昭和57年3月のUSにて左門脈臍部の外側に連続性のある“巻き貝”様のcystic lesionが認められたために入院した.入院後のUSでは,このcystic lesionが左門脈と左肝静脈に交通していることが明らかとなり,門脈肝静脈瘻と診断,経皮経肝門脈造影にて確診された.症例2はB型の慢性活動性肝炎の患者で,USにて右葉後区域に互いに交通のあるcystic lesionがあり入院.入院後のUSでcystic 1esionは円型でなく内部に血流エコーがあり,更に拡張した右門脈枝と肝静脈に連続していることが明らかとなった.血管造影で門脈後上枝が著明に拡張し,末梢で5×3cmのlakeを形成し,続いて右肝静脈が造影されなかった.なお2例共門脈圧亢進症の所見はなかった.
著者
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堀口 祐爾
名古屋保健衛生大学 福慶内科
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中野 浩
名古屋保健衛生大学 福慶内科
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伊藤 圓
名古屋保健衛生大学医学部内科学教室
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中島 澄夫
名古屋保健衛生大学内科
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田口 寛子
名古屋保健衛生大学消化器内科
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神間 修
名古屋保健衛生大学消化器内科
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伊藤 圓
名古屋保健衛生大学消化器内科
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北野 徹
名古屋保健衛生大学消化器内科
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山内 雅博
名古屋保健衛生大学消化器内科
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山内 雅博
名古屋保健衛生大学内科
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堀口 祐爾
名古屋保健衛生大学消化器内科
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伊藤 圓
名古屋保健衛生大学伊藤内科
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