肝膿瘍の血行動態に関する研究 : とくに,腹腔動脈-耳朶間循環時間からの検討
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概要
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肝膿瘍の7例に選択的腹腔動脈造影を行い,直後にカテーテルからindocyanine green (ICG)を注入し,ICGが耳朶に達する時間(C-time)を測定した.また,造影写真上で,固有肝動脈径,総肝動脈径,脾動脈径を計測した.肝疾患のない患者36例を対照とした.<BR>対照に比較して,固有肝動脈径と総肝動脈径は増大していたが,脾動脈径は差がなく,個人差を少なくするために計算した,脾動脈径に対する固有肝動脈径および総肝動脈径も,増大していた.C-timeは全例,短縮していた.<BR>以上より,肝膿瘍では,肝動脈血流量が増大し,肝血流速度も短縮していることを知った.