平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼのアクチン結合部位の構造と機能
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概要
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平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼ (MLCKと略す) のアクチン結合部位の構造と機能について, 牛胃MLCKのcDNAを利用する発現蛋白質を作成することにより検討を加えた.Met<SUP>1</SUP>-Lys<SUP>337</SUP>の配列を持つNN-断片はアクチン結合性を示すと同時にアクチン・ミオシン相互作用 (相互作用と略す) を阻害した.Met<SUP>1</SUP>-Pro<SUP>41</SUP>の配列を欠いたNN/41-断片 (Lys<SUP>42</SUP>-Lys<SUP>337</SUP>) はアクチン結合性も阻害作用も欠損していた.一方, Met<SUP>1</SUP>-Pro<SUP>41</SUP>の配列を合成して調べると相互作用を阻害することがわかり, この配列がMLCKのアクチン結合性及び相互作用の阻害機構を担っていると結論した. MLCKのアクチン結合性と相互作用に対する阻害効果はカルモジュリン (CaMと略す) により拮抗されるがNN-断片も同様であり, NN-断片にCaM結合位も存在すると考えられる.Phe<SUP>26</SUP>-Pro<SUP>41</SUP>の配列を持つ合成ペプチドによるCaMとNN-断片結合に対する拮抗により, この配列がCaM結合性に機能していると考えた.