色彩学的にみた看護職者の色表現方法の実態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は, 看護情報の共有化に資するために, 看護記録に用いられる身体に関する色表現方法の実態を明らかにすることを目的とした.病院に勤務する看護職者881名を対象に, 配票自記式質問紙調査を実施し, 775名 (87.9%) から回答を得た.その結果, (1) 看護婦 (士) 一人あたりの色表現数は平均24.1±10.1であり, (2) 表現数は経験年数とともに有意に増加し, 9年目の30.9±9.9をピーク (p<0.01) とした. (3) 表現方法は「色彩学的な色名を使用した用語」64.1%, 「色名を使用せず色調を表現した用語」35.9%に分類された. (4) 経験年数によって表現方法に相違があり, 1年目は単色表現, 6年目以降は色名を使用しない専門用語, 生活用語, その他の造語表現が特徴であった.看護職者のアセスメントを含む複雑化された色表現の実態が明らかとなり, 看護情報の共有化のために共通認識が可能な用語の基準化, ならびに教育の必要性が確認された.